私がFIREを考え始めた瞬間|行動に移した理由とその背景

1. きっかけ:FIREという言葉との出会い

きっかけは職場での何気ない会話から始まりました

職場での休憩中に同僚がこんな話をしてくれました。
「任天堂の株を持っていて、毎年6万円くらいお金貰えるんだ」

当時の私は手取りが少なく、将来の生活を思い描くたびに漠然とした不安に包まれていました。転職は難しい年齢で、このまま定年を迎えて年金だけで暮らせるのか…と考えると、暗い未来ばかりが浮かびます。

だからこそ「金が貰える」という話は心に残りました。自分も株を持てば収入を増やせるのではないか——そんな思いから、まずはネット検索でロナルド・リード氏(米国の元清掃員で、倹約と投資で莫大な資産を築いた人物)の存在を知りました。

続けて、名著と呼ばれる『敗者のゲーム』を手に取り読み始めます。やがて、YouTubeで株式投資の情報を探すようになり、その中で初めて「FIRE」(Financial Independence, Retire Early:経済的自立と早期リタイア)という言葉に出会いました。

最初の印象は、「へぇ、そういう生き方もあるんだ」という軽い驚きと同時に、「でも自分には無理だな」という諦めでした。配当金だけで生活できる未来は想像できず、別世界の話のように感じたのです。

それでも、「たとえFIREは無理でも、配当金を育てれば老後は楽になる」という考えが、心のどこかに芽生えていました。この小さな気づきが、後の行動につながっていくことになります。

私の投資スタートの背景やFIREを意識するようになった経緯は、運営者プロフィール に詳しくまとめています。

2. 惹かれた理由:現実の不安と理想の暮らし

FIREの魅力は「時間も働き方も、自分で選べる暮らし」にあります

最初に思い浮かべたのは、働かない生活です。好きなときに起きて、好きなことを好きなだけできる——それを想像しただけで、なんて素敵なんだろうと思いました。

私はPCゲームが趣味で、よく夜更かししては睡眠不足のまま朝を迎えていました。けたたましい目覚ましに叩き起こされ、心臓をバクバクさせながら布団を這い出る。

そんな時、ふと「FIREできたらどれほど幸せだろう」と考えたものです。……まあ、いい年したおっさんが夜更かしするなよ、早く寝ろよって話なんですが。でも、そのときの私は本気で「そんな生活がしたい」と思っていました。

FIREを知った直後は、「目覚まし不要の生活」「気の済むまでPCゲーム」という夢ばかりでした。けれど、時間が経つにつれて、思い描く暮らしは少しずつ変わっていきます。

  • 誰もいないジムで好きなときに筋トレする
  • 職場で不平等を感じない
  • 働く時間を自分で決められる
  • 人の悪口が飛び交わない環境で働く

そんな“自由度の高い日常”を願うようになったのです。

その背景には、将来への強い不安がありました。年金手帳には、65歳からの受取額がわずか10万円ほどと記載されていたのです。そこから税金が差し引かれたら、毎月の生活費はどうなるのか——先が見えないことが、何よりも恐ろしく感じられました。

職場環境もまた、私にFIREへの憧れを強くしました。当日の朝に出勤時間が変更されることもあれば、休みも少ない。なぜか夜勤は自分だけ、ということもあり、不平等感や「都合よく使われている」という感覚が積もっていきました。

そんな日常の中で、FIREはただの夢物語ではなく、現実的な目標になっていきました。そして私は、少しずつ行動を変え始めたのです。

3. 変化:意識してから行動にどう影響したか

FIREを意識すると、資産管理や働き方の考え方が一変しました

FIREを意識したのは、実はつい最近のことです。総資産が3,000万円を超えた八月のある日——。

真っ先に頭に浮かんだのは、理想の暮らしではなく「もしFIRE後に大不況が来て、配当金が止まったらどうするか」という現実的な懸念でした。

そのとき思い描いたのは、資産を切り崩しながらも、できる限りお金のなる木を守る姿です。景気が回復するまでの防波堤として、価格変動の少ないゴールドや債券などの防衛資産が必要だと考えました。

ただ、さらに考えを巡らせるうちに、もう一つの選択肢に気づきました。
——資産を切り崩さなくてもいい形、それが事業所得のあるサイドFIREです。その収入源を得るために、私はブログを始めることにしました。

総資産が3,000万円を超えた直後にサーバーを契約し、すぐにブログ作りに着手。8月15日の今、この文章を書いている時点で、私にしては珍しく行動が早かったと思います。

始めてみると、想像以上に楽しいことがたくさんありました。
ChatGPTと会話しながら一緒にブログを作る時間。
知識を深めるために本を読み、読書ノートを作る時間。
そして、そのノートをもとに再びChatGPTと意見を交わす時間。

どれも私にとって、新しい喜びでした。

一方で、不安もあります。それは「ネタ切れ」です。書くことがなくなってしまったらどうしよう——そんな小さな心配が、時おり頭をよぎります。

それでも、この新しい習慣が、少しずつ自分の暮らしを変えていることは間違いありません。

4. 今のスタンス:FIREとの距離感とマイルール

私が目指しているのは、完全FIREではなく「サイドFIRE」です

サイドFIREとは、生活費の一部を資産収入で賄い、残りを自分のペースで働いて補う形。社会とのつながりを保ちつつ、時間の自由度も確保できるのが特徴です。

人間は社会的動物で、仕事を辞めて社会との関わりを失うと精神的に参ってしまうことがある——そんな話を聞いたことがあります。

人が幸福に生きるためには「金融資本」「社会資本」「人的資本」の3つが必要だと言われます。幸い、金融資本は順調に育っています。そして、事業所得を作る過程で社会資本と人的資本も育てられるのではないかと考えました。

不況が来ても、事業所得があれば資産を切り崩さずに済む。
趣味も多いほうですが、それに加えて「自分の自由にできる仕事」があれば、暇を持て余して鬱になる可能性も低いと思ったのです。

投資面では、自分は比較的リスク耐性が高いと感じています。一部の銘柄ではありますが、過去に-80%を経験しても、初期の方針に従い売らずに持ち続けたことがあります。

職場も不人気な職種の割に社会に必要とされており、雇用は安定していると考えています。そのため、生活防衛資金を除き、ほぼ全ての資金を株式につぎ込んでいます。現金比率は資産全体のわずか5%ほど。
(※現金比率5%はリスク耐性が高い投資家向けです。)

一方で、借金による投資は避けています。確かに、正しい知識を持った上で行えば、資産を買うための借金は良い借金だと言われます。

アメリカの学生ローンや、不動産投資における銀行借入はその代表例でしょう。しかし、私は返済日に怯えるような暮らしには耐えられないと思っています。

もし返せないほどの借金を抱えてしまったら…と考えるだけで眠れなくなるかもしれません。

仮に借金をする場合でも、所有する現金の半分程度までが限界です。
身の丈に合った暮らしを続けること——これが、私のFIREとの付き合い方の根本にあります。

5. 数字の裏にある気持ち

数字の増加は生活を変えなかったが、心のあり方を変えました

初めて配当金を受け取ったときの金額や時期はもう覚えていません。
それでも、「何もしていないのにお金が入る」という出来事は、今でも鮮明な驚きとして心に残っています。

あの時の小さな喜びは、今も配当金がわずかでも増えるたびに蘇ります。

資産は少しずつ増えていきましたが、その時点では大きな心の変化は感じませんでした。

総資産が1,000万円を超えたときでさえ、「ああ、いつの間にか超えていたな」という程度の感覚です。

生活レベルを上げなかったこともあり、資産が増えても暮らしは変わらなかったのが理由でしょう。

しかし今振り返ると、当時は意識していなかったものの、資産の増加とともに仕事で感じるストレスは確実に減っていたように思います。

変化が小さすぎて、その時は実感できなかったのだと思います。

そして、大きく心が動いたのは総資産が3,000万円を超えたときです。

リーンFIRE(生活費を最低限に抑えることで、比較的少ない資産でもFIREを実現する形)の条件を満たしたことで、「もう飢えて死ぬことはない」という安心感を得られました。

同時に、「この資産を減らしたくない」という強い思いが芽生え、事業所得を得るために行動を起こしました。

この「資産を減らしたくない」という欲求は、自分の行動まで変えてしまいました。

大好きで毎日やっていたゲームを、ほとんどやらなくなったのです。

もちろん、これからもゲームは楽しみたいと思っていますが、今はブログを作ったり、知識を得るために読書をしたり、資格の勉強をするほうが楽しい。

未来に繋がる行動そのものが楽しくなり、気づけば自分は未来志向の人間になっていました。

6. 締めの一言と次への案内

投資を続けていくことで、未来は少しずつ明るくなっていきます
ゆっくりと、けれど確実に——

もし過去の自分に声をかけられるなら、迷わずこう言います。
「今すぐ投資と副業を始めたほうがいい」と。

始める時期が遅れたことを後悔しているからこそ、今こうして続けているのだと思います。

この記事では、私がFIREを意識し始めた理由をお話ししました。

もし「その後、最初の投資はどうだったの?」と気になった方は、ぜひ次の記事をご覧ください。
私が初めて米国株を購入した体験談と、そこから得られた具体的な学びを正直に綴っています。

→ 初めての米国株投資体験(近日公開予定)

まとめ

  • FIREは特別な人だけのものではなく、現実的な選択肢になり得る
  • 資産形成は小さな行動から始まり、やがて心の安心につながる
  • 配当金や副業は「自由度の高い暮らし」への具体的なステップになる

この記事は私のFIREへの第一歩にすぎません。
投資の歩み、副業への挑戦、資産形成の考え方などは 運営者プロフィール からご覧いただけます。
ぜひチェックしてみてください。

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