景気循環8局面とGICSセクターの関係|投資の波を読み解く自分用メモ

はじめに:このページの使い方

本記事は、景気循環8局面とGICSセクターの関係について、用語や位置づけを一覧的・整理的に確認できる「辞書型リファレンス」として作成している。

売買判断や将来予測を目的とするものではなく、他の記事や資料を読む際に、用語や整理の前提を確認するための参照用資料として、筆者が自身の投資判断を整理するために作成し、公開している。

景気循環とは何か(基本定義)

景気循環とは、経済活動が一定の期間をかけて拡大と縮小を繰り返す現象を指す。
生産、消費、投資、雇用といった経済活動の水準は、常に一定ではなく、時間の経過とともに変動すると説明されることが多い。

この変動は直線的に進むものではなく、回復・拡大・過熱・後退といった局面を経ながら推移するため、「循環」という言葉で表現される。
ただし、循環の長さや形状は一定ではなく、経済環境、金融政策、技術革新、国際情勢などの影響を受けて変化するとされている。

景気循環は、事後的に整理・説明される概念であり、あらかじめ明確な境界が存在するわけではない。
各局面の区分は、分析や説明のための枠組みであり、厳密な開始点や終了点が定義されているものではない。

本記事では、景気循環を8つの局面に分けて整理する考え方を採用する。

景気循環8局面の整理

以下では、それぞれの局面について

  • 経済活動の一般的な状態
  • 企業活動・消費の傾向
  • 金融環境の特徴

という観点から整理する。

第1局面:底打ち

底打ちは、景気後退が進んだ後、経済活動の悪化が一巡し、水準は低いまま推移しつつも、下落が止まり始める段階と説明されることが多い。

生産や消費の減少ペースが緩やかになり、金融環境は景気下支えを目的とした緩和的な状態が続くとされる。

第2局面:回復初期

回復初期は、経済活動が底打ちを経て、徐々に回復に向かい始める段階とされる。
生産や消費に改善の兆しが見られ、経済指標が持ち直し始める場合が多い。

企業活動では在庫調整の進展が見られ、金融環境は引き続き緩和的な状態が維持されることが多い。

第3局面:回復の広がり

回復の広がりは、回復初期の動きが経済全体に波及し、生産・消費・投資といった活動が複数の分野で改善する段階と説明される。

企業活動では設備投資や雇用の増加が見られる場合があり、金融環境は緩和的な状態から中立的な方向へ向かう過程にあるとされることがある。

第4局面:好況

好況は、経済活動が活発化し、高水準で推移している段階と説明される。
生産・消費・投資が堅調で、経済全体に拡大感が見られる場合が多い。

企業活動は積極化し、金融環境については引き締めの方向性が意識され始める場合がある。

第5局面:過熱

過熱は、好況が進行し、経済活動が持続可能な水準を上回ると説明される段階である。
生産や消費は高水準で推移するが、需給の逼迫が意識される場合がある。

企業活動では人材確保や原材料調達に困難が生じることがあり、物価や賃金の上昇圧力が高まると説明されることがある。

金融環境は、引き締め的な方向へと傾くとされる。

第6局面:後退初期

後退初期は、経済活動の減速が徐々に表面化し始める段階とされる。
生産や消費の伸びが鈍化し、企業活動では投資計画の見直しが行われる場合がある。

金融環境は、引き締め的な状態が続く場合がある。

第7局面:後退深まり

後退深まりは、経済活動の縮小がより明確になる段階と説明される。
生産や消費の減少が進み、雇用環境の悪化が見られる場合がある。

金融環境は、景気下支えを目的として緩和的な方向へ転じる兆しが見られる場合がある。

第8局面:底

底は、景気後退が進行した結果、経済活動の水準が最も低い状態にあると説明される段階である。

生産・消費・投資はいずれも低調で、金融環境については回復を支えるための緩和的な政策が実施されている場合がある。

GICSセクター分類の概要

GICS(Global Industry Classification Standard)は、企業の事業内容を共通の基準で分類するための産業分類体系である。

本記事では、景気循環との関係を整理する目的から、以下の簡略表記を使用する。

  • 一般消費財:自動車、家電、アパレル、レジャー関連など、景気動向により需要が変動しやすい消費関連事業
  • 生活必需品:食品、日用品など、景気にかかわらず一定の需要が見込まれる消費関連事業
  • IT:ソフトウェア、ハードウェア、半導体などの情報技術関連事業
  • 金融:銀行、保険、証券などの金融サービス事業
  • 資本財:機械、建設、輸送機器など、企業の設備投資に関連する事業
  • 素材:化学、金属、紙パルプなど、原材料を供給する事業
  • 公益:電力、ガス、水道など、公共性が高く継続的に利用されるサービス事業

景気循環とセクターの関係(一般論)

景気循環とセクターの関係は、事業特性や需要の変動幅の違いをもとに説明されることが多い。

回復局面では、一般消費財、資本財、ITなどが言及されることがある。
好況から過熱局面では、IT、金融、素材、資本財などが関連づけて説明される場合がある。
後退局面では、生活必需品や公益といったセクターが、影響を受けにくい例として挙げられることが多い。

「ディフェンシブ」と呼ばれるセクターの整理

ディフェンシブとは、景気変動の影響を相対的に受けにくいと説明される事業やセクターを指す表現である。

一般的には、生活必需品や公益といったセクターがディフェンシブと位置づけられることがある。

この用語は説明的な概念であり、特定の結果を保証するものではない。

注意点(前提と限界)

本記事の整理は、景気循環とセクターの関係を理解しやすくするための説明的枠組みである。

景気循環やセクターの性質は、時代、地域、制度、政策の影響を受けて変化するとされる。

本記事は、将来予測や投資判断を目的としたものではなく、用語確認のための参照資料として利用されることを想定している。

参考として読むと理解が深まるかもしれない記事

  • GICSセクターの辞書的リファレンス記事(予定)
  • セクター構造を扱った解説記事(予定)

本記事は、これらの記事を読む際の参照用資料として位置づけられる。

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