GICS分類で整える投資管理|日本株と米国株を“同じ地図”に置くという考え方

はじめに

下に載せているのは、私が保有する個別株を評価損益率の高い順と低い順に並べた画像です。
見ていただくと分かるように、個別株はリスク(将来の値動きの大きさ)が大きいです。
当たれば青天井ですが、外れれば悲惨な結果になります。紙切れになった株式すらあります

私は日本に住み、日本円で生活していることから、円のキャッシュフローを強化したいと考えて、総資産の10%を上限に日本個別株に投資をしています。
ですが、日本個別株への投資は多くの方に勧められるものではないとも考えています。
一般的には、オールカントリーなどのインデックスファンドに積み立てる方が“安心して生活しやすい”と感じる方が多いと思います。

これから書く内容は、「こういう考えの人間もいるのだな」というくらいの認識で読んでいただけると助かります。

上の一覧は、評価損益率の高い銘柄と低い銘柄を並べたものです。個別株が持つ値動きの大きさを端的に示しています。

なぜ、私はGICS分類へたどり着いたのか

私がGICS分類を使い始めたきっかけは、米国個別株への投資でした。
米国株は多くのウェブサイトや書籍でGICSが標準として扱われており、どの銘柄がどのセクターに属するかを調べるのは非常に簡単でした。

また、私が日本株にも手を広げるようになったのは、円で生活している以上、保有資産の一部でも円建てのキャッシュフローを安定させたいと考えたためです。

しかし、日本株に投資し始めると状況は一変します。
日本株は東証33業種という細かい分類に基づいており、スプレッドシートで管理するとタブが増えすぎ、全体を俯瞰しづらくなってしまいました。

最初はブルームバーグで1銘柄ずつGICS区分を調べていましたが、これでは「所有銘柄がどのGICSなのか」は分かっても、「狙ったセクターの日本株を探す」のは難しいままでした。
そこで、ChatGPTに尋ねるという手法に気づき、分類の手間が一気に解消されました。

GICS分類を選んだ理由

GICS分類を採用した最大の理由は、管理の効率化です。
GICSは11のセクターで構成されており、東証33業種よりも分類がシンプルなため、スプレッドシート上の整理が非常に楽になります。

東証33業種は細分化されている一方、GICSはより大きな分類単位で整理されているため、セクター間の比較やバランス調整を考える際に扱いやすいという特徴があります。
米国株と日本株を同じ基準で並べられることも、長期管理における大きな利点です。

また、セクターごとの特徴を理解しやすくなることで、景気局面や資金の流れを読む際にも役立ちます。
分類がシンプルであることは、投資判断の余裕にもつながります。

私自身が感じている、GICS分類を使うメリットは次のとおりです。

・タブ数が減り、管理の負担が軽くなる
・日本株と米国株を同じ基準で見られる
・偏りや薄いセクターが瞬時に分かる
・“判断前の準備作業”に時間を取られなくなる

GICS導入で、投資管理はどう変わったのか

GICS分類を実際の管理に取り入れてまず感じたのは、「管理そのものがシンプルになった」という変化でした。

● 以前の課題

日本株を東証33業種で管理していた頃は、構造としては正しくても実務負担が大きい状態でした。

  1. 業種数が多く、一覧性が弱い
  2. 比率の小さい業種の把握に手間がかかる
  3. 均等な配分を考える前に“全体の把握”に時間を奪われる

● GICS導入後の変化

GICSによって日本株と米国株を同じ分類軸に統一したことで、管理画面のタブが減り、全体像を一目で把握できるようになりました。

  • 偏っているセクター
  • 薄いセクター
  • 強すぎるセクター

これらが視覚的に分かるため、投資判断に入る前の確認作業が大幅に減りました。

● AI(ChatGPT)の役割

GICS導入を最大限に活かすうえで、ChatGPTの存在は大きかったです。

  • 分類理由付きで回答してくれるため、自分の判断軸が持ちやすい
  • 必要があれば根拠を見ながら整合性を確認できる
  • 以前は数分かかっていた調べ物が、今では数秒で終わる

例えば「銘柄名+GICS分類+理由を教えてください」と入力するだけで、分類と根拠が短時間で返ってきました。

推定であっても、分類理由が分かることで「なぜこの銘柄がこの位置にあるのか」を自分の頭で理解できます。
また、AIは同じ質問には同じ基準で返してくれるため、分類の一貫性が保ちやすい点も大きなメリットでした。

こうした積み重ねによって、「分類に納得した状態で管理できる」という安心感が生まれたのは、自分にとって大きな変化でした。

この記事のまとめと、次に進むための一歩

GICSを使うことで、日本株と米国株を同じ基準で並べられるようになり、管理の下準備がずっと楽になりました。
ただ、分類はあくまで準備にすぎません。

次の記事では、このGICSを実際の運用ルールにどう落とし込んでいるのか、私自身の方法をできるだけ具体的にお伝えしたいと思います。

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